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巣箱の移動(巣箱の増減と巣箱の移動と移送)

​コロニーの移動は、移送を伴う水平移動と、定点での巣箱の増減による垂直移動があります。移動前に、移動先の飼育環境の良否と、移動の要点を知る必要があります。

1移動

巣箱の移動、移送

(1)巣箱の移動

原則として巣箱を移動する場合は、群れが元の巣へ戻るのを防ぎ、元の巣箱の位置の記憶を消去するため、夕方に巣門を閉じて移動の準備を済ませます。翌日の早朝に2km以上移動させます。夜間の移動は、危険性が増し、アクシデントの対応が困難なことから、理由がない限りお勧めしません。(注1)

同じハチ場に置く場合は、巣箱間を3m以上離して置きます。(注2)

 

*希望する移動場所が2km以内の場合、以下の順で移動します。

➀一旦2Km以上移動

②一週間以上、滞在する

③2km以内の希望の置き場所へ移動     

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​​​分蜂群の収納直後の移動

・分蜂したその日の晩または翌日の早朝、群れが箱内に戻ったことを確認後巣門を閉鎖し、同じハチ場内での移動も可能です。その日と早朝以降は、2Km以上の場所なら移動可能です。

 

飼育場内での移動

・群れが元の巣に戻れるよう、一日に一回に限り、数10cm(50cm以内)ずつ、数日かけて移動させます。上下と前後は、これ以上の距離を移動しても意外に左右ほど迷いません。また、飼育場に他の巣箱が無い場合や、巣箱間に相当の距離があり、迷い込みの恐れが無い場合は、それほど影響がないでしょう。条件次第です。(注3)

 (注1)(注2)(注3)これらの数値は目安です。条件次第変わります。絶対的なものではありません。

(2)巣箱の移送

移送上の注意と必要部材

・巣門を3mm以下の硬い材質のメッシュが金網でふさぎます。

・重箱どうしと基盤をガムテープ、ゴムチューブなどで固定します。

・車での移動は、布団やマットを敷いて、振動が伝わらないよう工夫します。

・室内が15度以上になる場合はエアコンを使用します。

・巣箱を移送する場合は、なるべく、乗用部分と荷台が別れた車を選択し、やむを得ず乗用車を使用する場合以下のようにする。

移送用底板の利用。

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比較的短い距離の移動

​ 乗用車の後部座席で移動の一例

移送について
病害虫の伝播防ぎ、地域の遺伝的特性を守るため、この地域にアカリンダニ症が確認された以降は、長距離の移動は自粛しています。
​参考:アカリンダニ症に対する今後の指針  「2018.9.2 於京都 日本ミツバチ養蜂研究会 提言より」

 

2継ぐ箱

(1)分蜂前の継ぐ箱

分蜂前に継ぎ箱をする機会は、多くありません。以下のような場合は、急いで継ぎ箱します。
1人で継ぐ箱をするためには、巣箱全体を少しだけ、上に持ち上げ、可能かどうか判断してください。
難しいようなら、補助する人を増やしてください。


1人でもできる継ぐ箱の方法です。 

少し巣板が下の巣箱の継ぎ目より下垂していました。下に継ぐ巣箱の巣落ち棒と、巣板が接触する恐れもあり、早めに継ぎ箱しました。継ぐ箱は念のため②のように巣箱をひっくり返し使用しました。(通常は、巣落ち防止棒の高い位置が上です)

 

❶継ぎ目に巻いたテープを外し、ビールケースの上に乗せる。別のものでもよいが、できるだけ水平移動できる高さの台となるものを選んでください。

❷継ぐ箱を基礎箱の上に乗せる。巣箱が滑らないよう、継ぎ目2点にテープで仮止めする。

❸ビールケースの巣箱を継いだ巣箱の上に乗せた後に、各継ぎ目に布テープを巻きます。

 

分蜂前でも、暖かいので日が続くと貯蜜が進み、かなり重量のある巣箱もあります。事前に重量を確認してから作業を開始してください。

キャプチャ1.JPG

(2)分蜂後の継ぐ箱

 原則は、巣碑と群れの増減に合わせて、少しずつ巣箱の増減を繰り返すのが、理想です。
多数群飼育の場合、前記の作業を省くため分蜂群を捕獲後、30日ほど 経過し、群れが落ち着いてきたら図のように、コロニーの強弱に合わせて
一気に2段、または3段の継ぐ箱をします。
 

これは、次のような理由からです。

➀この期間経過すると、群れの勢力の見極めがつき、継ぐ箱の数を調整できます

②一気に2~3段の継ぐ箱をすることで、箱に空きができ、夏の暑さを、ある程度抑制できます

③この時期は、まだ貯蜜量少ないため巣箱も軽く、一人でも継ぐ箱作業が可能です

④一気に2~3段の継ぐ箱をすることで、作業負担を減らすことができます。

キャプチャ.JPG

(3)通常期の継ぐ箱と減箱

これは、巣群の勢いをみて、適時行います。一例として下の図のような場合は、継ぐ箱は、群が4段目の巣箱を覆いつくし、5段目の箱に掛かるくらいの時でよいでしょう。たいてい11月以降は、コロニーのハチの数は、あまり増加せず巣碑の成長も止まります。余程の場合を除いて継ぐ箱は不要です。成長状態をみて冬に備え、1段以上巣箱に空間があるようなら、保温やメントールの浸透を考慮して​減箱をする必要もあります。(私たちの地域では、11月を過ぎると、ハチが保温のため密集し塊となるので空間が多くなります。)

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