top of page

養蜂適正診断

日本ミツバチの飼育を始める前に

キャプチャ1.JPG

  (注1)土地がない養蜂適地が無い場合は、借地や土地の間借りをお勧めします。
(注2)条件次第で、市街地の都市養蜂も可能ですが、条件が厳しくお勧めしません。
(注3)蜜源とは、ミツバチの食料となる花蜜と花粉を有する植物樹木の群落です。
(注4)西洋・日本のミツバチの種類を問わず、病害虫の伝播とトラブル防止のためです。
(注5)お近くのホームセンターや公民館などで、作業場所と道具を借りることもできます。

 

 

(注2)(注4)
区市町村に寄せられた苦情の事例

・分蜂(巣分かれ)した蜜蜂や、逃げた蜜蜂がいる

・蜜蜂が近くによく飛んでいるのが怖い、不愉快

・洗濯物や車を汚された

・蜜蜂に刺された

・蜜蜂を飼っている場所に問題がある

【参考資料】
​「庭で飼うはじめてのみつばち ホビー養蜂入門」和田依子 山と渓谷社

「東京都蜜蜂飼育の手引き」東京都産業労働局農林水産部農業振興課編集 

養蜂には困難と喜びがあります。あなたを歓迎します。(^.^)/~~~

 

■期待は、外れることもあります。

新規参入者は、早期に蜜を得ることを期待しがちです。そのような期待は、しばしば裏切られます。日本ミツバチの飼育においては、時期や群れにより収穫につながらないことも多く、1~2年では、あなたの期待された量の蜜を、得られないかもしれません。挑戦してみてください。

 

■少年老い易く、老年さらに老い易く、学成り難し

日本ミツバチは飼育が簡単で病気に強い。これは西洋ミツバチの飼育と比べてのことかも知れません。アカリンダニが日本国内で確認されて以降は、日本ミツバチ飼育が、より困難になったと実感しています。

 

養蜂は、浅くとも広い分野の知識を必要とするような気がします。生物学、昆虫学、植物学等の基本や、統計的なものの見方、養蜂用具巣箱の作成や修理に必要な日曜大工程度の技術は、非常に役立ちます。初心者と経験者を問わず、必要かつ興味深い学習には、限りがありません。学習すればするほど、知らないことに気づきます。

 

飼育にかかる時間は、初めたばかりの頃の予想をはるかに上回ります。飼育に係るトータルの時間は少ないですが、時間を限っての、やるべきことは多くあります。また、仕事や家族の都合で、ミツバチに係る時間を、確保できない場合もあります。日本ミツバチの飼育者は、比較的高齢の方が多く、高齢者にとって残された時間は多くはありません。また、若いからと言って、決して長い余命と余暇が約束されるものではありません。今直ぐ始めましょう。

 

 

■想定外も有ります。

ハチ毒アレルギーは飼育経験の長短に関わらず、しばしば突然発症します。重症化した場合は、飼育の継続が困難となります。会員の中には、蜂毒アレルギーとなり家族から説得されて、飼育を諦めてた人もいます。

 

全国的にアカリンダニ症が広がっています。アカリンダニの防除処置をとらない限り、飼育群の平均余命は短くなります。私の周辺でも日本ミツバチの多くの養蜂家がアカリンダニで群れ失い、飼育をあきらめるのを見てきました。他の地域でも、アカリンダニに気づいてないだけかも知れません。

 

養蜂は、思ったよりも費用がかかります。初期費用は、基本の用具だけで、それほどかかりません。その後に必要となる追加や交換用巣箱、ダニ防除剤、採蜜用器具等が追加され、費用負担がかさみます。

 

農業と同じように、養蜂は他の業より自然条件に左右されます。安定的に蜜量を確保することは容易ではありません。日本ミツバチの蜜の収穫量は、西洋ミツバチと比べて、はるかに少なく、趣味の養蜂家にとって、労賃を原価に算入すれば、利益を上げるのは、ほぼ不可能だと思っています。

 

 

趣味の養蜂家に限らず、全ての養蜂家にとって、周辺環境の変化は厄介です。隣人にも注意が必要です。苦情は無くとも、周辺環境の変化で、飼育場所を移動した会員もあります。それでもやってみる価値は十分あります。

 

■あなたを歓迎します。

このような困難にもかかわらず、ミツバチを育てることには、大きな喜びと魅力に溢れています。困難を補って余るものがあります。春の一瞬、分蜂のため渦になって舞うハチのただ中に立つと、自然の不思議を体感することができます。季節の移り変わりに鋭敏になり、自然をより深く感じることも、養蜂の喜びだと思います。どうぞ、ミツバチを育てる夢を、あきらめないでください。あなたを歓迎します。

bottom of page