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適性配置と密度

生物の教科書では「密度依存性」として
「個体群が混み合い、密度が高くなると、それぞれの個体が得ることができる資源のパイは減小する。より小さい生物資源しか、生命機能に振り向けることができなくなり、個体成長率は鈍化する」との記述が見られます。

当該の蜂群が蜜源の枯渇期おいても、他のミツバチや、その他昆虫と過当に競合することなく、また他の飼育者の蜂群と蜜源を分け合い、共存していくためには、他の日本ミツバチ養蜂場や、西洋ミツバチの飼育場から、適切な距離を保つ必要があります。とりわけ温室でのば花粉交配期間終了後に、適切な措置(返却や焼却)がなされず、放置されている温室周辺には、特に注意が必要です。広域的な蜂群の適正な配置と、「1つの養蜂場における最適な密度」の双方に配慮してください。病害虫の発生や蔓延に、つながります。

できれば、一つの養蜂場では、迷いバチを少なくするためにも、巣箱間は少なくても3m以上の距離をおき、その飼育巣箱の数は、「数年間で最も多数を配置し、かつ採蜜実績の良かった時期の数の7割以下」に配置を抑制した方が良いと思われます。「一ケ所の飼育場は、3群以下」と決め、抑制している方もあります。


 自然界における、公表された野生の群れの推定値は、自然(例えば自然保護区)と農業地帯の両方で1平方メートルあたり0.1から7.7群あるいはそれ以上(下記参照)であると言われています。

これから、飼育下では、程度の差はあれど、自然界と比べ全て過密と言わざるを得ません

さらには、広域的にみても当該養蜂場においても、過密度飼育は病害虫に罹りやすく、蜜源の競合が激化します。​最適な密度は、時期や気候変動の環境の変化により、大きく推移する蜜源と、日本ミツバチだけでなく、西洋ミツバチを始めとする他の昆虫の蜜源をめぐる競合者や、スズメバチ等捕食者の数量に左右されるため、常に変化します。

 

密度についての参考資料

「野生蜜蜂との遊び方」トーマス・シーリー著  築地書館より

 

 ニューヨーク南部の起状の多い、深い森の地域での1キロ平方メートルあたり1群程度という推定値は、ヨーロッパ、中東、アフリカ(土着)の、アメリカ、オーストラリア(導入された)の広大な範囲にわたる、西洋ミツバチで報告されたきた野生の群れの範囲の低い値にあたるようにみえる。ヒンソンらによって評価されたように、公表された野生の群れの推定値は、自然(例えば自然保護区)と農業地帯の両方で1平方メートルあたり0.1から7.7群あるいはそれ以上である。
 

「蜂から見た花の世界 」佐々木正巳 著  海游社 p341より

 

図12 蜂群の配置と採餌圏の広がりとの関係

養蜂家が1ケ所に多くの群を置きすぎると、周りに花が咲いていても、すでに採られてしまって「蜜枯れ」の状態となってしまう。蜂は遠くの花を求めざると得なくなり、燃費分の消費が多くなる。エネルギー効率を重視する蜂にとっては辛い状況」
 

「我が家にミツバチがやって来た」久志 富士男著 高文研 第6刷 P177より

 

(前略)飽和状態になると全群が弱り、オオスズメバチに蹂躙され、全群が一挙に倒れる。蜂場に1群も強勢群がいなくなったら飽和状態となったとみてよいであろう。2008年5月、椎の花のあたり年であった。私は椎の花の咲き具合を見て回った。分蜂がほぼ終わり、二ホンミツバチが勢いづく季節である。蜂場の群数と分蜂数がその周りの椎の花の咲き具合にほぼ比例することがあらためてわかった。さらにこの時期の集蜜量がその後の勢いを保障するのである。

この上限の群数を決めるのは、春の流蜜期の集蜜量だけではなく、夏、7月の半場から9月末までの乏蜜期の流蜜も影響するが、まずは繁殖期の流蜜である。

 給餌なしの自然界では、これがニホンミツバチの生息の第一の要因であろう。

 以上のことを勘案すると、ハチ群に活気を与え、採蜜を維持していくためには、蜂場の群れの数を飽和状態の3分の2程度に制限することであろう。

自然界ではオオスズメバチがその働きをしていると考えられる。

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